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「定期借家契約」は普通借家契約と何が違う

定期借家契約不動産の情報

「定期借家契約」は、平成12年の借地借家法改正によりできた新しい借家契約になります。

従来型の借家契約との大きな違いは、「更新」がないというのが大きな違いになります。

更新がないということは、借主には不利な契約方式になりますが、特殊な事情等を抱える貸主にとっては考慮される方法でもあります。

ただ、すでに締結されている従来型借家契約の期間満了に伴い、または中途で、定期借家契約に切り替えることは借地借家法で禁止されています。

定期借家契約は普通借家契約とどこが違う

契約方式

1.書面による契約に限ります。

2.貸主は、借主に対して、「当該借家契約には更新がなく、期間の満了により終了する定期借家契約である」ことの説明する文書を交付して説明する必要があります。

更新の有無

期間満了により賃貸借は終了で、更新はありません。(ただし、再契約は可能です。)

1年未満の契約

1年未満の契約も有効です。

契約の終了

契約期間が1年以上の場合、貸主が契約期間満了の1年前~6か月前までの間に、借主に対して、「契約期間満了の通知」をしなければ契約は終了しません。

借主からの中途解約の可能性

床面積が200㎡未満の居住用建物で、転勤・療養・親族の介護その他のやむを得ない事情により、生活の本拠として使用することが困難となった場合は、特約がなくても法律により中途解約ができます

定期借家契約と普通借家契約に比率

ある調査によると、普通借家契約が97.5%を占めており、定期借家契約はわずか2.3%という調査結果です。

平成25年度からの5年間で見ても、定期借家契約の普及率は上昇していない状況です。

その背景として、国土交通省の調査によると、定期借家契約の認知度は64.2%が「知らない」と回答し、「知っている」が17.2%、「名前だけは知っている」が18.5%という結果で、その認知度が低いということがあるようです。

定期借家契約は、貸主には知らない人は少ないという契約ですが、借主にはまだ認知度が低く、あまり利用もされていない状況になります。

定期借家契約には、契約期間が限定されている関係上、賃料が安いというメリットもあります。

定期借家契約に関するQ&A

Q1:定期借家契約をした借主が、期間満了になっても、明け渡しをせず居住し続けた場合どうなるのでしょうか?

A1:この場合は、不法占拠になりますので、借主が明け渡しの請求に応じなければ、貸主は明け渡し請求訴訟を提議して、明け渡しの判決を得て強制執行という法的手続きになるようです。

Q2:貸主が転勤先から戻ったときなど、貸主が自ら住む必要が生じたときなど、貸主から中途解約できる特約は可能ですか?

A2:定期借家契約は、確定期限の借家契約のため、上記のような不確定期限の契約は認められていません。貸主からの中途解約はできません。ただ、借主が納得して退去する合意解除は可能になります。

Q3:定期借家契約である事前説明をしていない場合はどうなりますか?

A3:定期借家契約の場合、貸主は借主に対し、「当該契約には更新がなく、期間の満了により終了する旨」を記載した書面を交付して説明しなければならないことになっています。この事前説明をしなかった場合は、普通借家契約になります。

Q4:期間が1年以上の定期借家契約で、貸主は、期間満了の1年前~6か月前に、借主に対し、期間満了により建物賃貸借契約が終了する旨の通知をしなければいけないことになっていますが、終了通知を借主が受け取ったことを、貸主としてはどう証明すればいいのでしょうか。

A4:終了通知を送付する際は、「終了通知受領書」を作成し、返信封筒と共に送付するようにします。借主を訪問する場合は、終了通知を口頭で伝え、その場で終了通知受領書に署名押印をもらいます。なお、受領書の返送なしや受領書記載拒否の場合は、配達証明付き内容証明郵便で送付するようにします。

Q5:終了通知を出し忘れた場合は、どうなりますか?

A5:貸主が改めて終了通知をした日から6ヶ月経過した後に、契約を終了させることが出来ます。

Q6:再契約をする場合でも、現在の契約についての終了通知を出す必要がありますか?

A6:再契約する時でも、現在の契約について終了通知を出す必要があります。

Q7:再契約の時でも、定期借家契約の事前説明は必要ですか?

A7:再契約の時は事前説明を省いて良いという法律上の規定はないので、説明する必要があります。

Q8:再契約の時、前契約における敷金の清算をしなくて良いですか?

A8:前契約の敷金が再契約の敷金にそのまま充当されるとの貸主借主の合意があれば、いったん返還し、また預け入れる必要はないということです。

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