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譲渡所得が出た場合の各特例と実際の税額

譲渡所得不動産関連法規

不動産の売却によって売却益が出た場合、「譲渡所得税」という税金を納付する必要があります。

税金が安くなる各種の特例もあり、基本的なものだけでも知っておきたいと思います。

譲渡所得とは?

譲渡所得税の計算方法や、税金を安くするため利用することができる特例などは、いろいろのパターンがあります。

そもそも譲渡所得税とは、不動産の売却により生じた利益に対してかかる税金のことで、次の計算式にて算出する事ができます。

「譲渡所得税=課税譲渡所得 ☓ 譲渡所得税の税率」

なお、課税譲渡所得は以下の計算式にて算出する事ができます。

「課税譲渡所得=売却価格-(購入価格+購入時にかかった諸経費+売却時にかかった諸経費)」です。

なお、譲渡所得税を安くするために利用できる特例については、次のような場合があります。

3,000万円の特別控除の特例

この特例は、マイホームを売却した時、一定の要件を満たせば、物件の所有期間に関係なく、譲渡所得から最高 3,000 万円の特別控除の特例を受けることができます。

この特例を受けるための要件としては、

①自分が居住していた不動産であること

②買手と売手の関係は、親子や夫婦など特別な間柄でない

③売却した年を遡って 2 年間にこの特例、もしくは譲渡損失などの特例を受けていない

ことなどが要件となります。

この特例を受ける場合、課税譲渡所得税は以下の計算式にて算出する事ができます。

「譲渡所得税=(課税譲渡所得(長期/短期)ー3,000万円)☓譲渡所得税の税率」

所有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例

この特例は、不動産の所有期間が10年以上の場合のみ、「3,000万円の特別控除の特例」と併用して軽減税率の特例を利用する事ができます。

この特例を受けるための要件としては、

①売却した居住用不動産の所有期間は 10 年以上であること が要件となります。

この特例を利用した場合、以下の計算式にて計算することができます。

◇課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下の場合

「譲渡所得税=課税長期譲渡所得☓10%(税率)」

◇課税長期譲渡所得金額が6,000万円以上の場合

「譲渡所得税=(課税長期譲渡所得ー6,000万円)☓15%(税率)」

買換えの特例

この特例は、不動産を売却し、代わりの居住用不動産を購入した場合、買換えの特例を利用することができます。

この特例を受けるための要件としては、

①譲渡資産(売却した不動産)は、売却した年の1月1日において、所有期間が10年以上居住した不動産である

②居住用の期間が10年以上である。売却価格は1億円以下である

③買換え資産(買換えした不動産)は、床面積が50㎡以上である。築年数25年以内または耐震住宅である。

土地面積が500㎡以下である。

④前の不動産が売却した年の前年から翌年までの3年の間に取得した不動産である。

この特例を利用した場合、以下の計算式にて計算することができます。

◇買換え資産の取得価格>譲渡資産の譲渡価格

譲渡がなかったものとされ、譲渡所得税は一切かかりません。

◇買換え資産の取得価格<譲渡資産の譲渡価格

「収入金額=譲渡資産の売却価格ー買換え資産価格」

「必要経費=(譲渡資産の購入価格+譲渡資産売却時の諸経費)☓(収入金額/譲譲渡資産の売却価格)」

「課税長期譲渡所得金額=収入金額ー必要経費」

「譲渡所得税=課税長期譲渡所得金額☓15%(税率)」

譲渡所得に対する税額はどれくらい?

計算例

以下条件で買換えの特例を利用した場合の譲渡所得税はいくらになるでしょう。

譲渡資産の売却価格:4,000万円

譲渡資産の購入価格:3,000万円

譲渡資産売却時の諸経費:150万円

買換え資産価格:3,200万円

<計算方法>

収入金額=4,000万円ー3,200万円=800万円

必要経費=(3,000万円+150万円)☓(800万円/4,000万円)=630万円

課税長期譲渡所得金額=800万円ー630万円=170万円

譲渡所得税=170万円☓15%=25万5,000円

買換えの特例を受ける際の注意点

買換えの特例を受ける場合、「(1)3,000万円の特別控除の特例」と「(2)所有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例」の特例との併用ができないことに注意しましょう。

確定申告にて納税する方法

譲渡所得税の納付は、確定申告の手続きを行うことになります。

売却で損失が出た場合は?

不動産売却することによって、損失をしてしまうことも考えられます。

不動産の売却で損失が出た場合、一定の要件を満たせば、大きく以下の2つの特例を利用することができます。

(1)居住用不動産に買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

(2)特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

特例を利用することによって、以下のメリットが挙げられます。

不動産を売却した年度の給与など他の所得と損益通算することで支払う税金が安くなります。

売却年度に損失の控除がしきれなかった場合、譲渡の年の翌年以後最大3年間繰り越すことができる場合があり、これにより、翌年以降に支払う税金が安くなる可能性があります。

譲渡所得に対する特例措置は、まだまだたくさんあり、自分の売却が、どの特例措置を適用できるかは専門家に相談してみてください。

居住用財産の定義、更地の場合はどうなる、共有名義だとどうなる、相続の場合はどうなる、等いろいろなパターンは適用されるのか否かはそれぞれのケースでどう判断するのか専門家の意見を聞くのがいいと思います。

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