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不動産を売却する時の準備と引き渡しまでの流れ

不動産売買契約 不動産の情報

ライフスタイルや家族構成の変化、環境・経済状況の変化など、住まいを売却するには様々な理由があると思います。

売却の意思決定から、買主の方への引き渡しまでのポイントを見ていきたいと思います。

不動産売却の前に確認しておくこと

円滑な売却活動のためには、売却にかかる諸費用や物件に関する権利関係などを確認した上で、売却の手続きや手順などを整理しておくことが重要です。

不動産の売却の諸費用には、所有している物件に住宅ローンの残債がある場合には、その返済資金のほかに、ローンの抵当権を抹消するための費用も必要になります。

このように、売却代金がすべて手元に残るわけではありません。

物件の状況や売却方法などによっても、売却時に必要となる諸費用の額は異なりますので、仲介を依頼する不動産会社とも相談して、売却にかかる諸費用を把握しておくことが大事です。

その他の諸費用としては、仲介手数料、抵当権末消費用、売買契約書の印紙税、測量費用、建物解体費用、譲渡所得税、その他引っ越し費用等が考えられます。

物件の権利関係は、売却の手続きや手順に影響しますので、事前にしっかりと確認する事が大事です。

確認資料として、登記記録や購入時の重要事項説明書、建築関係書類などが挙げられます。

不動産に関する主な権利には、所有権、借地権、区分所有権などがあります。

物件の権利関係については、登記簿の登記記録で調べることができます。

登記記録の「甲区」には所有権に関する事項が記載され、「乙区」には所有権以外の権利に関する事項が記載されています。

所有権が共有名義であれば、一体で売却するには共有者全員の合意が必要ですし、一戸建ての土地が賃借権なら売却に当たって地主の承諾が必要となります。

また、抵当権や差し押さえなど、不動産の売却に債権者との調整が必要な場合もあります。

このように権利関係の状況は、売却の手続きに影響しますので、しっかりと整理をしておくことが必要です。

また、一戸建てで増築したことがある場合は床面積の変更登記がなされているかなど、必要な変更登記がなされているかも確認しておきましょう。

土地を売買する場合、土地の境界線を明確にする必要があります。

登記記録や公図などの書面上は元より、現地でも明らかにする必要があります。

現地では、境界を示す目印である「境界標」で確認します。

境界標がない場合は、土地の実測作業を行った上で、隣地所有者と協議をして境界確認書を交わすなどの手続きを踏む必要もあります。

境界が不明確な場合は、後で境界紛争の元になる可能性がありますので、事前に確認をしておくことが重要です。

また、物件に瑕疵がある場合、瑕疵の内容とその対処を明確にした上で売却する必要があります。

例えば、修復可能な瑕疵であれば修復してから売却するのか、修復費用に相当する額を売却予定価格から差し引いた価格で売るかを決めなければなりません。

建物や設備の老朽化の状況についても瑕疵と同様に確認したほうがよいでしょう。

建物や設備が老朽化すると見栄えも悪くなります。

売却前にリフォームをするのか、しないのかも、不動産会社と相談しながら、最終的には自分で判断しなければなりません。

不動産売却の流れ

現在の住まいや土地などの不動産を売却する時の手順をみていきたいと思います。

まず売却する理由を具体的に整理して、「住み替えの時期はいつ頃か」「手元の資金はどの程度あるか」など、自分自身の希望や経済状況などを確認することから始めます。

このように整理をすることで、売却価格や売却時期などの条件、新居を購入するか賃借にするか、あるいは今の住まいを売却せずに賃貸するといった住み替えのイメージを持つことができます。

もし、売却することが決まったら、周辺相場からいくら程度で売れそうなのか目安を立てましょう。

目安が立ったら、売却の仲介をしてくれる信頼できる不動産会社を探しましょう。

不動産会社は、大きな不動産会社から小さな不動産会社まで山ほどあります。

ここでの大切なことは、早く、目安にした金額でお客さんを見つけることです。

適正な価格であれば、不動産会社の大きい小さいは関係なくお客さんは見つかります。

レインズや加盟業者団体のデータベースや民間の不動産情報等に同じように公開されていきますので、信頼できる不動産会社に依頼することが大事です。

また、仲介手数料を上限額で設定しているか否かも選択条件の一つかもしれません。

不動産会社を探すと同時に、物件価格の査定を依頼してプロの目で査定してもらいます。

この時、複数の不動産会社に査定を依頼してみるのもよいと思います。

次に、信頼できる不動産会社と売買の仲介を依頼する媒介契約を結びます。

主な媒介契約は「一般」「選任」「専属専任」と3つの形態がありますが、自分の希望する売却方法などを踏まえて、どの契約で結ぶかを決定します。

実際の売り出し価格は、その後の売却活動に大きく影響してきます。

自分の希望売却価格だけではなく、不動産会社の査定価格や周辺の売却事例、市場の動向を踏まえて、慎重に決めましょう。

購入希望者が現れたら、売却条件を交渉します。

もちろん価格の条件は最も重要ですが、その他の条件についても、譲れる点と譲れない点を明確にして交渉を進めましょう。

売買契約を結ぶ前に、物件に関する情報をできるだけ正確に購入希望者へ提供することが、後々のトラブルを防止する意味でも重要になります。

また、不動産会社が仲介する場合は、「重要事項説明」という制度に基づく詳細な物件説明を行いますので、不動産会社の物件調査に協力しましょう。

売買条件に合意したら、買主と売買契約を結びます。

このとき、一般的には物件価格の10~20%程度の手付金を受け取ることになります。

最後の引き渡し手続きでは、売買代金を受領するのと同時に、登記手続きを行います。

細かな設備・備品等の取り扱いなどについても、買主と現地立ち会いを行った上で十分に確認をしましょう。

不動産を売却する時の活動

売主の希望価格と不動産会社等の査定価格を踏まえて、売主が売り出し価格を設定します。

一般的に、査定価格は希望価格より低くなることが多いと思われます。

売主が早く売りたいと思えば査定価格に近い価格設定を、時間がかかっても高く売りたいと思うなら希望価格に近い価格設定にすることになります。

売却代金の一部を買い換えなどの資金に充てる必要があるなら、その点も考慮しなければなりません。

ただ、売り出し価格で売買が成立するとは限りません。

実際の売買交渉においては、売主の売り出し価格と買主の購入申込価格の差を解消して、売買価格を決定することになります。

次に、販売活動を開始すると、購入希望者が物件の内覧に訪れます

内覧の時、掃除が行き届いていなかったり、荷物があふれて部屋が狭く見えたりしたら、購入希望者の購入意欲も薄れてしまう可能性もあります。

不要な荷物を片づけ、掃除を念入りにしておくなど、好印象を与えられるように早めに準備をしておきたいものです。

室内は、不要なものは片づけるか、思い切って捨てるなどして部屋の広さが分かるように見せるのがコツです。

キッチン、浴室、トイレなどの水廻りは、カビや水アカは除去して、消臭、油汚れは落として印象を悪くしないように配慮することが大事です。

多少の予算をかけても、専門業者にハウスクリーニングを頼むことも考えてみましょう。

購入希望者にとって、内覧とは「品定め」ですから、最も重要なのは印象です。

具体的な販売活動を開始したら、内覧などの問い合わせがあった場合に、スムーズに対応できる態勢を整えておくと、販売活動を円滑に行うことにつながります。

購入希望者との条件交渉はどんな事がある?

購入希望者が現れたら、契約に向けての交渉が始まります。

価格や引き渡し時期、代金の支払い日など、購入希望者が提示した条件に基づいて具体的な交渉が開始されます。

不動産会社を通しての購入希望者の場合、「買付証明書」等の書面が売主に提示されることも多いと思います。

買付証明書には、購入希望価格、代金の支払い条件、引き渡し希望日など、購入希望者の基本的な希望条件が記載されています。

売主は、購入希望者が提示した条件を確認して、具体的な交渉に入るかを決めます。

その後の交渉は、売主側の不動産会社と買主側の不動産会社が行うのが一般的です。

場合によっては、同じ不動産会社が、売主と買主の双方から仲介依頼を受けていることもあります。

不動産会社は、売主、買主の希望条件を確認した上で、これまでの経験などに基づいて解決点を見出しながら、お互いの条件を調整していくことになります。

条件交渉では、自分が納得のいく条件かどうかを慎重に判断しましょう。

特に、価格の条件は、売主、買主共に譲りたくないところでしょう。

不動産会社からの市場動向の情報やアドバイスを参考に、最終的には自分で判断することになります。

また、価格の条件は、他の条件と一体で調整することもあります。

例えば、建物や設備に不具合がある場合、補修を行わない代わりに売却価格を下げるといった調整も可能です。

このように、複数の条件を合わせて交渉することもありますので、不動産会社とよく相談して、円滑に交渉を進めるようにしましょう。

【具体的な交渉項目の例】

●売買価格
●手付金の金額
●引き渡しの時期
●瑕疵担保責任の期限
●土地の実測測量の実施有無
●土地の実測を行う場合の実際の面積に応じた売買代金の精算方法
●建物や設備の補修の実施有無
●古家がある場合の撤去の有無
●公租公課などの精算方法や金額 等

物件引き渡しまでの注意点

売買契約が締結されると、売主には、所有権移転と物件の引き渡しなどの義務が生じます。

これらの義務を期日までに果たすことができなければ、債務不履行で違約金の支払いを求められることもありますので確実に準備をしておく必要があります。

各種費用の精算準備、引き渡し書類などの整備などをしなくてはなりません。

一般的に登記申請は司法書士に委任しますので、司法書士や不動産会社に必要書類をしっかりと確認してもらい漏れのないように準備します。

この準備を怠ると、契約書で約束した期日に所有権移転登記ができなくなりますので、十分に注意しましょう。

特に、登記記録に記載された内容と事実が異なる場合や、登記識別情報または権利証を紛失してしまった場合などは、所有権移転登記に特別な手続きが必要となります。

これらの手続きには時間がかかることもありますので、極力早く準備に着手することが大切です。

売却物件に抵当権が設定されている場合は、ローンを借りている金融機関に残債額の確認をして、ローンの全額返済と抵当権抹消のための準備が必要になります。

特に、抵当権抹消にかかる金融機関のスケジュールと引き渡しのスケジュールを調整することが重要です。

土地の実測測量は、一般的に土地家屋調査士に依頼します。

境界の確認は隣地所有者も立ち会った上で行いますので、しっかりと対応しましょう。

特に、境界がよく分からない、境界から越境しているものがある、隣人とのトラブルがある場合などは、境界確認が不調となることもありますので、早めに準備しておく必要があります。

現地確認は、売主、買主、不動産会社が立ち会って、引き渡しまでに実施します。

契約で約束した事項について、引き渡し後にトラブルが発生しないようにします。

引っ越しは、引き渡しまでに退去を済ませるのが原則です。

什器・備品等の付帯設備の引き渡し条件をしっかりと確認した上で、買主に物件を確実に引き渡せるよう準備をします。

また、ガス・水道・電気等の公共料金の精算についても、不動産会社に確認しながら準備をします。

一般的に、売主による所有権の移転と物件の引き渡し義務と、買主による残代金を支払う義務は同時に履行します。

売主は残代金を受け取ったら、買主に対して残代金の領収書と所有権移転登記に必要な書類一式を引き渡し、一般的には司法書士が所有権移転登記を申請します。

公租公課、管理費などについては、引き渡し日の前日までを売主の負担、引き渡し日以降を買主の負担として、日割りまたは月割り精算するのが一般的です。

実測図や建築関係書類、物件の鍵、付帯設備の保証書・取り扱い説明書、その他の書類等を売主から買主へ引き渡します。

必要書類等の引き渡しと引き換えに「引き渡し確認書」などを受け取ることもあります。

引き渡しが完了したら、不動産会社と結んだ媒介契約に基づいて、仲介手数料を支払います。

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