先日、他県に居住されているご夫婦が、定年退職を機に静岡県東部地域に移住を決意されました。
売買の物件ではなく、賃貸の一戸建て物件を探して欲しいとの希望です。
アパートやマンションでなく一戸建ての賃貸住宅を求めていました。
理由は、現在の住居が騒音を気にするような居住形態だったこと、自由な時間が出来たので多少庭いじりがしたいことが大きな理由でした。
不動産を購入する人、借りる人こそ大事にしたい
不動産を購入する人や借りる人は、不動産を売る人や貸す人があってこそ成り立ちます。
逆に、不動産を売る人や貸す人は、買う人や借りる人が現れるまで空き状態のままでいなければなりません。
この「空き状態」の物件が何と多いことでしょうか。
人口は減少しているのに、新しい不動産が次々に生まれている実情がありますから仕方がないと言えるかもしれません。
このご夫婦も、提供した物件資料は10数件に上りました。
そして、内覧は2日間で、計8件の物件を内覧しました。
その中で、気に入った物件が決まり、契約の運びとなりました。
賃貸物件における決め手
借りる人の年齢層によって、希望要件が変わってきます。
子どもさんがいると、先ずは保育園、幼稚園、学校といった近隣環境が重視されてきますが、今回のように、高齢のご夫婦2人だと、スーパーや病院といった生活環境が重視されてきます。
その中で、一つ気になったのが「駐車場の有無」です。
地方での生活となると、公共交通機関だけでなく自家用車での生活は欠かせません。
賃貸物件の中には、駐車場が付いていない物件がいくつかありました。
また、駐車場があっても、駐車料金を別途徴収する物件もありました。
一見、賃料が安く見えて、駐車料金まで含めると高くなってしまうのは、借りる側にとってはあまり良い印象にはなりません。
ぜひ、大家さんには駐車料金を含めた賃料設定にしていただきたいと思います。
空き家を早く解消しましょう
住居を探しているが、入居がなかなか決まらない方はたくさんいます。
新しい賃貸マンションやアパートが増えている現状を考えると、高齢者、障害者、外国人等の社会的弱者に入居の門を広げることにシフトしてはいかがでしょうか。
高齢者らの入居を敬遠する理由として、日本賃貸住宅管理協会の調査によると、特定の人を敬遠する大家さんの割合は下記のようになっています。
(大家さんが拒否権を持つ入居者)
1位 障害者 68%
2位 外国人 61%
3位 生活保護受給者 60%
3位 高齢者 60%
5位 ひとり親世帯 14%
入居を困難にしている理由として、
①家賃を継続して支払うことが可能か心配
②「孤立死」されたら大変である
③障害者らが近所の人とトラブルを起こすことが心配
などが、大家さんの心配になっていることが考えられます。
このような場合、「家賃保証」という制度があります。
借主が家賃保証会社の審査をパスして、保証料(家賃の1か月分程度)を支払って、保証委託契約を締結します。
保証期間中に借主が家賃を滞納したら、家賃保証会社が借主に代わって家賃を払うシステムです。
高齢者が生活保護を受けている場合は、「代理納付制度」があり、市町から直接大家さんに家賃が支払われる制度があるので心配はありません。
また、外国人ですが、技能実習生や特定技能制度で今後日本に来る外国人は大幅に増えることが予想されます。
大半の外国人は、日本の労働力不足を補うために、真面目に働く人達です。
ネックは、日本語習得の言語の問題、生活習慣の違いなどがありますが、当然サポートしている団体もありますし、「入居のしおり」を作って意思疎通を図っていけばトラブルは少なくなると考えられます。
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