静岡県内の水道管は、全国でも早い時期に敷設されたため老朽化が大きな課題となっています。
水道管の更新は、これまで古い水道管を地中から掘り出し、新しい管に切り替える方式で実施してきました。
この方式は、費用がかさむことが難点で、撤去費用だけで更新が本格化する今後60年間で760億円もの経費が必要とのことです。
既存の水道管を撤去しない新手法
この新手法は、老朽化した管の中に新たな管を通し、隙間にセメントを詰めるなどして補強する工法だということです。
施工に際しては、さらに旧菅に平行してもう1本水道管を新設するということです。
水道管を二重に敷設するのは、災害などに対応するためです。
新設する管の口径は、将来の水道利用者の減少を踏まえ、現存の管より細くして経費を圧縮するということです。
静岡県では、2018年度に工業用水管の1.5㎞で試験導入した結果、古い管を撤去する従来の方法より3割経費を削減できたといいいます。
約半額の経費削減
静岡県の当初の試算では、今後60年で水道管や浄水場の更新に7,300億円が必要ということでした。
これを、新方式の採用、将来の需要減を見越した細い管の導入、さらに浄水場などの施設更新に民間資金を活用した社会資本整備であるPFI方式を導入するなどして、総額3,500億円に抑える計画だということです。
静岡県の企業局が管理する上水・工業用水の管の全長は約740㎞に及びます。
水道管は高度成長期に敷設されたものが多く、古い管は1940年代に造られたものもあり、順次更新が必要になってきています。
人口減少等で収入面の伸びは期待できず、かといって水道料金の引き上げには限度があるので、いかに更新コストを抑制していくのかが課題といえます。
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