分譲マンションには、通常マンション管理組合があります。
マンションは、管理組合で建物の維持管理を行うため、毎月管理費や修繕積立金を集めています。
これらの費用は、建物の構造部分や共用の階段・廊下、エレベーター、駐輪・駐車場のほか、各戸のパイプスペースやバルコニーなどの共用部分の維持管理に当てられます。
築年数の経過したマンションでは、耐震性の問題や老朽化の問題も出てきます。
平成30年度に実施されたマンション総合調査課からマンションの耐震化・老朽化対策と管理組合の運営状況をみてみたいと思います。
マンションの管理(耐震性と老朽化)
マンションの耐震化対策
マンションの耐震診断を実施した割合は約34%で、そううち耐震性があると判断されたマンションの割合は約41%という結果です。
一方、耐震性が不足していると判断されたマンションのうち、耐震改修を実施する予定がないマンションは約38%に上り、心配な状況です。
マンションの老朽化対策
マンションの老朽化問題について対策の議論を行い、建替え又は修繕・改修の方向性が出ている管理組合の割合は約22%という結果です。
対策の議論は行ったが、方向性が出ていない管理組合は約17%です。
議論を行っていないマンションは約56%で、経年経過が進むとともに深刻な問題です。
マンション管理組合の運営状況
専門家の活用状況
専門家を活用しているマンションは約42%で約半数に達しています。
活用した専門家は、多い順に建築士、弁護士、マンション管理士となっています。
専門家を選任した理由
専門家選任の理由で最も多いのは、大規模修繕等の実施で約43%、次に専門知識のアドバイスで約34%となっています。
マンションは、専門家のアドバイスが必須ともいえる建築物なのかもしれません。
外部役員の選任意向
外部役員を検討している又は将来必要となれば検討したい意向を持っているマンションは約28%です。
マンションの役員選任は、高齢化やなり手不足で悩んでいる管理組合があります。
大規模災害への対応状況
定期的な防災訓練を実施している管理組合は約44%で、災害時の避難場所を周知している管理組合も約30%で平成25年度比で増加しています。
なお、何もしていない管理組合も平成25年度比で減っていますが約23%もあり、近年の大規模災害多発で心配ではあります。
マンションでのトラブル発生と処理
トラブルの発生状況で、特にトラブルのないマンションは約23%で平成25年度比で減少しています。
トラブルの内容では、多い順に居住者間のマナー、建物の不具合、費用負担という順になっています。
トラブルの処理方法では、多い順に管理組合で話し合った、マンション管理業者に相談、当事者間で話し合ったという順になっています。
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