未完成の宅地あるいは建物の売買等を不動産業界では、「青田売り」ともいいます。
青田売りとは、元来は「稲が十分に成熟しないうちに収穫高を見越してあらかじめ産米を売ること」の意味です。
青田売りについては、確実な執行を確保するために、宅建業法で各種の規制を設けています。
宅建業法による青田売りの規制
(広告の開始時期の制限)宅建業法33条
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前では、当該工事に関し必要とされる法律(都市計画法や建築基準法等)の確認や許可等の後でなければ、当該工事の売買等に関する広告をしてはいけないと規定されています。
販売広告は、必要な許可等を受けた後でなければすることはできません。
(工事完了時における形状・構造等の書面による説明)宅建業法35条1項5号
宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものは、その完了時における形状、構造その他について書面及び図面を交付して説明しなければいけません。
宅建業法35条は、「重要事項説明」に関する規定ですが、その第5項で未完成物件に関する規定が特に設けられています。
(契約締結等の時期の制限)宅建業法36条
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前において、当該工事に関する法律(都市計画法や建築基準法等)に基づく許可等があつた後でなければ、売買若しくは交換の契約を締結や媒介をしてはいけないと規定されています。
契約等は、必要な許可等を受けた後でなければ締結することはできません。
(手付金等の保全)宅建業法41条
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建築に関する工事の完了前における売買で自ら売主となるものに関しては、この法律で掲げる保全措置を講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはならない。
ただし、買主への所有権移転の登記がされたときや手付金等の額がこの法律で定める額以下であり、相手の利益の保護を定めた額以下であるときは、この限りでない。
手付金の受領やその保全についても規制も設けています。
青田売りについては、販売広告の開始時期の制限、重要事項説明では工事完了時における形状・構造等の書面による説明、契約締結等の時期の制限、手付金等の保全の規制を設けて確実な契約の履行を宅建業法で示しています。
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