所有者がわからない土地が増えて、再開発や公共事業の妨げになっています。
政府は、2020年をめどに民法の改正などを含めた法整備を進めています。
相続登記の促進、義務化
現在、不動産登記は義務化されていません。
登記は、所有者を含めて土地などの詳細を法務局に記録する手続きです。
相続等の場合、相続人に所有権が移ってもその時点で登記をしないこともあります。
2018年11月からは長期間相続登記がない場合、登記官がその旨を登記簿に記載できるようになりましたが、その効果はこれからです。
法制審議会では、「登記の義務化」も議論されているそうです。
登記情報は幅広く閲覧されるため、義務化による個人情報保護との関連も検討される必要性がありそうです。
共有ルールなどの「所有権の調整」
現在の民法では、共有物を売却する場合などは、全員の同意を得る必要があると規定しています。
得られなければ共有地の利用は困難になります。
また、相続して所有権を得ても、売りたくても買い手がいない、管理が難しいといったケースもあります。
現在の民法に規定のない「土地の所有権を放棄する制度」も検討課題です。
放棄を認めた場合、その土地の受け皿の整備、放棄を見越しての所有者の管理の怠慢等の課題も残ります。
官民境界などの「境界の確定」
土地の境界の確定という問題もあります。
境界などを確認する地籍調査は、1951年の国土調査法に基づいて始まりましたが、全国の半分程度しか終わっていないということです。
所有者の確定と境界をはっきりさせる作業は時間を要します。
国土交通省は、手法を見直したり、民間の測量を活用したりして迅速化を図る方針だということです。
狭い日本、限られた土地所有の明確化と有効な活用は重要な課題といえます。
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