これまでの「別荘暮らし」のイメージとは異なり、地方の空き家などを手ごろな価格で手に入れて暮らす新たな生活スタイルである「デュアルライフ」が若い世代を中心に広がっている。
都会でできない趣味や子育ての場として活用されている。
デュアルライフの増加
都会で生活するある4人家族は、太平洋に面した千葉県の中古住宅を購入し、毎週末ここに来て生活している。
住宅の近くに海や川があり、中古住宅を自分の手で改装しながら庭で薪割りをしたり、野菜を育てたりしている。
都会では味わえない体験を満喫している。
リクルート住まいカンパニーの推計によると、デュアルライフを始めた人は2018年に約17万人超、11年の約9万人から倍増しています。
以前は避暑地などの別荘地で過ごすスタイルが中心でしたが、最近はサーフィンや農業などの趣味や子育てを楽しむ傾向にあるということです。
都市部・地方部の2つの場所に生活拠点を持つデュアルライフは、豊かなライフスタイルを実現する手段して注目されています。
デュアルライフと「別荘」は、似ているようで微妙に違うようです。
「別荘」が非日常というイメージに対して、デュアルライフは両拠点が日常の暮らしというイメージです。
これからは、ライフステージに合わせた住み替えという考えも増えていくのかもしれません。
支援する自治体
デュアルライフを支援する自治体も出てきました。
徳島県では、16年度から首都圏など都市部の公立小中学校の児童生徒が、住民票を移さなくても同県内の学校に通える「デュアルスクール」の実証実験を始めています。
移住につなげる狙いがありますが、同県教委では「新しいライフスタイルを応援したい」と話しているそうです。
「働き方改革」で余暇時間が増えた人もおり、デュアルライフはさらに広がる傾向にあります。
新たな土地で暮らすため、新しいコミュニティに飛び込んで溶け込む努力する姿勢も重要になってきそうです。
増え続ける空き家対策にも
平成25年のデータで空き家の数は820万戸に達しています。日本に戸建している10軒に1軒が空き家ということになります。
日本は人口減少時代に突入して、空き家になる可能性も大きいし、空き家になった時に売ることも貸すことも難しい状況にもなっています。
ただ、人の住まない家は劣化も進みますし、使えるうちに有効利用することは重要なことです。
現在は、各自治体やNPO等が提供している空き家バンク等もあり、空き家を活用する動きも積極的です。
ゆとりあるライフスタイルの構築に向けて、都会に居住の方は田舎にデュアルライフを考えてみてはいかがでしょうか。
デュアルライフを始めるポイント
●雑誌やインターネットの情報に頼らず、交流イベントなどで現地の人の話を聞く。
●気になった土地の「いいところ」だけに目を奪われない。
●地域の事情に詳しい不動産業者といった頼れる人を探す。
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