家庭の太陽光発電で発電した電気の余剰部分は、高く買い取ってもらう制度である10年間の期限が2019年から切れ始めます。
2023年までに160万世帯が発電する大量の電気の買い取りが無くなる可能性があります。
政府は、再生可能エネルギーを大きく育てる意向のようですが、ドイツなどの再生エネルギー先進国に比べると消極的な感じです。
固定価格買い取り制度(FIT)
政府は、2005年に家庭の太陽光パネルで作った電気の余剰分を10年間にわたり、一定価格で買い取る制度を始めました。
東日本大震災を経て、拡張されたこの制度は「固定価格買い取り制度(FIT)」と呼ばれています。
太陽光発電は、太陽が出ている昼間に発電しますが、家庭では電力の消費は夜間に増えます。
このため、余った電気を引き取る制度が必要で、FITでは1キロワット当たり48円という価格で電力会社が買い取るように義務付けました。
一般的に約10年間で設置費用の元が取れる水準のため、200万世帯で太陽光パネルが設置されました。
今後はどうなる?
買い取り費用は家庭や企業が使う電気代に上乗せして徴収されています。
この国民負担を抑えるため、買い取り制度は10年間の期限限定という条件が付いていました。
期限切れを迎える家庭は2019年で約53万戸、2023年までに160万戸に達します。
先進国に学ぶ
再生エネ先進国ドイツでは、地域エネルギー公社が各地方都市に存在します。
太陽光や風力で作った企業や家庭の電気をこの公社が買い取り、地域の電力消費に再供給しています。
その収益で交通機関や生活サービスを運用し、30万人近い雇用も生んでいます。
地域が電力の生産者であり、消費者でもある持続的な「地産地消」のエネルギー循環の仕組みを築きました。
日本もこの方向に向かうべく、各企業も商品開発に向かっているようです。
買取り期間終了後の活用法
2019年にFIT法の期間満了を迎えた家庭は、作った電気をどうすればよいのでしょうか。
1.低単価でもこれまで通りに余剰売電を行う
2.余った電力を無償で送配電事業者に流す
3.蓄電池・電気自動車を使って効率的に電気を使う
等が考えられています。
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