静岡県には、7つの工業用水道があり、県内各地の工場に工業用水を供給しています。
ここにきて、各企業の生産体制の再編で大口顧客の解約が相次いでいるため、苦境に陥っています。
静岡県の工業用水道
工業用水道は、静岡県の企業局が独立採算制で運営しています。
現在、県西部に3用水(湖西、西遠、中遠)、中・東部に4用水(静清、東駿河湾、富士川、柿田川)の7用水があります。
県内の工業用水は、1960~70年代に整備が進み、高度経済成長期、地下水の過剰な汲み上げによる地盤沈下や井戸水の塩水化を防止してきました。
工業用水は、各企業の工場における冷却や洗浄など各用途に応じて使用されています。
工業用水は、塩素殺菌処理を行わないため、上水道に比べて低廉な料金で供給できています。
製紙会社など大口顧客が使用を中止
静岡市と富士市に給水している東駿河湾工業用水は、製薬会社や製紙会社などの大口顧客が、ここにきて契約解除に踏み切っています。
業態変更や井戸水への転換が大きな理由だということですが、この影響で工業用水道は赤字に転落しました。
東駿河湾工業用水は、県の工業用水事業全体の契約水量の5割を占めており、その影響は大きいといえます。
今後、老朽設備の更新や台風など自然災害への備え強化で莫大な予算が想定されています。
7用水の一部統合も必要か
工業用水は、水源の違いによって水の単価が異なっています。
そのため、7用水の統合はこれまで実現してきませんでしたが、現在、給水区域が異なりますが近距離の東駿河湾と富士川の統合を検討しています。
工業用水道は、静岡県内の経済発展の貢献が使命という側面もありますので、引き続き経営改善を進めて事業を展開してもらいたいと思います。
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