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マンションの維持管理と管理規約

マンション管理規約 不動産の情報

分譲のマンションのような「区分所有建物」では、所有者間の管理関係や管理運営の原則について定めた「区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)」という法律が基本になっています。

マンションでは共同体として成り立っていますので、それぞれの分譲マンションの事情や特性等に応じて共同のルールを決めることが必要となってきます。

マンションにおける管理規約とは

法律では、マンションのおける管理規約の設定を義務付けているわけではなく、区分所有者の意思に委ねています。

分譲マンションと一口に言っても立地の状況、構造、規模等は様々です。

区分所有法では個々の分譲マンションの実情等に応じてルールを定めることができるとしています。

このルールをまとめたものが「管理規約」になります。

管理規約では共用部分の範囲や使用方法、理事会の役割、管理組合の運営に必要なもの等が網羅されており、「マンションの憲法」と呼ばれています。

平成28年3月の法改正

マンション居住者の高齢化等を背景とした管理組合役員の担い手不足、管理費滞納等による管理不全、暴力団排除の必要性等様々な課題を受けて、これらの課題に対応した新たなルールの整備に向けて平成28年3月の法改正が発表されました。

主な改正内容は以下のとおりです。

◆外部専門家の活用
◆駐車場の使用方法
◆専有部分の修繕工事等
◆暴力団等の排除規定
◆管理費等滞納に対する措置
◆災害発生等の場合の管理組合の意思決定
◆緊急時の理事長等の立ち入り
◆コミュニティ条項の再整理
◆理事会の代理出席 等

改正では、高経年化マンションの増加に伴う管理の困難化やマンションの高層化・大規模化等による管理の高度化・複雑化が進み、外部専門家が役員として直接管理組合の運営に携わることができると規定しました。

管理規約の「任意規定」と「強行規定」

マンションの管理規約は、「区分所有法」の定めに準ずることになりますが、管理規約で別段の定めを置くことが可能な事項「任意規定」と必ず区分所有法の定めに従う必要がある事項「強行規定」があります。

任意規定の場合には、区分所有法よりも管理規約で定めたことが優先されることになります。

これに対して、強行規定の場合には、管理規約で区分所有法と異なる定めを仮に設けたとしても、区分所有法が優先され管理規約の定めは無効となります。

(任意規定の例)

1.集会(総会)の招集手続

マンションの集会は、管理者が招集しますが、招集が必要であるにも関わらず、管理者が招集手続きを取らない場合には、区分所有者の五分の一以上で議決権の五分の一以上を有するものは、管理者に対して集会の開催を請求することができます。

この五分の一という定数は七分の一や十分の一というように管理規約で引き下げることができます。

逆に、この定数を四分の一や三分の一のように引き上げることはできません。

2.集会の議決権割合

各区分所有者の議決権は、原則的には共用部分の持ち分割合(各人が有する専有部分の床面積の割合)とされていますが、これを一住戸につき一議決権とするように、管理規約で別段の定めをすることができます。

(強行規定の例)

1.管理規約の設定、変更および廃止に関する集会決議要件

管理規約の設定、変更、廃止は、集会において区分所有者および議決権の各四分の三以上の賛成が必要です。

2.義務違反者への措置に関する集会決議要件

専有部分の使用禁止請求および区分所有権の競売請求を行う場合、区分所有者および議決権の各四分の三以上の賛成が必要です。

3.建替え決議に関する集会決議要件

マンションの建物を取り壊し、かつ、その敷地の全部または一部の土地に、新たにマンションを建てる場合には、区分所有者および議決権の各五分の四以上の賛成が必要です。

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