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アスベストの飛散防止を強化!

アスベスト飛散防止 最近の動き

建物の解体などに伴う石綿(アスベスト)の飛散防止が強化されそうです。

環境省の有識者会議は、建物の解体などに伴うアスベストの飛散防止の強化策をまとめました。

これによると、規制の対象を屋根材に使われるスレート板などアスベストを含む建材にまで広げるとのことです。

アスベストに関するこれまでの経緯

石綿(アスベスト)は、耐火性や断熱性に優れ、安価なため1950年代から普及しました。

かつては、「奇跡の鉱物」と呼ばれ、工場やビル、一般住宅の吹き付け材や保温材、断熱材として幅広く使われました。

一方、アスベストを大量に吸い込むと平均40年の潜伏期間を経て、治療が困難な中皮腫や肺がんを発症する恐れがあります

WHOなどは、1972年に石綿の発がん性を指摘し、欧州各国は80年代以降石綿の使用を禁止しました。

日本は、かなり遅れましたが、2006年に全面禁止しました。

規制対象の拡大

従来のアスベストの飛散防止対策の対象は、「吹き付け材」や「耐火被覆材や断熱材」だけでした。

この対象を、石綿が含まれる建材が使用されている全ての建物の解体・改修工事が対象となります。

石綿問題に取り組む市民団体からの要望も強く、関連法案を20年の通常国会に上程し、今まで規制対象にしなかった建材まで広げることになります。

これからは、

工事前の石綿の有無を調べる事前調査は、専門知識を持つ人に限る

行政が工事の状況を把握できるように施工者は事前調査結果を県などに届け出る

事前調査結果や除去作業の記録を一定期間保存する

違法な工事をした業者への罰則を強化する

のように変更されます。

今も増え続ける石綿関連の死者

石綿を使った民間建築物は全国に約280万棟もあると言われています。

70~90年代を中心に大量に使用され、これらの建築物が老朽化しており、解体のピークは2028年頃とされています。

厚生労働省によると、中皮腫による死者は、2017年は1,555人です。

統計が始まった1995年の3倍以上に増えていて、これから発症のピークがくると指摘されています。

厚労省によると、石綿関連疾患による労災認定は2017年度までの15年間で計約1万4千人です。

国は、工場の周辺住民など労災認定を受けられない患者や遺族らを対象に、救済制度を創設して月約10万円の給付をしていますが、重患者を中心に十分ではないとの声も出ています。

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