少子高齢化を背景に「空き家」が増え続けています。
老朽化した空き家は、災害時に倒壊や火災で被害を広げる危険もあり、不審者の侵入など防犯上の問題もあります。
「空き家活用」を目指して、空き家を調査する調査員の方がいます。
「空き家活用」の調査員
東京、大阪、名古屋の大都市圏を中心に、空き家情報を宅建業者に提供する企業があります。
この企業の調査員は、住宅街を歩いて「空き家」の情報取集をしています。
敷地に入らないように注意しながら、住宅や庭の状況を確認して「空き家」なのかどうかの判断をします。
ドアが閉め切られたままの状況であったり、電気メーターが止まっている等の判断から「空き家」の判断をするそうです。
こうして人気の高い地域で集めた「空き家情報」をデータベースに登録します。
データベースを閲覧した宅建業者が、所有者に連絡を取り、買い取り交渉を行うシステムだということです。
空き家の活用
東京在住のある会社員の方は、大阪市の一戸建てを相続しましましたが、2年間ほど空き家にしていたそうです。
調査員の情報がきっかけで、実家を売却することが出来ました。
固定資産税などの費用がかさんでいましたが、どうしたらいいのかわからなかったと言います。
調査員の情報を得た大阪の宅建業者から「空き家の買い取り相談」の手紙をもらい、スムーズに買い手が見つかったということです。
色々な活用策
総務省によると、1998年に570万戸だった空き家や空き部屋の数が、2018年には849万戸に増えています。
このうち、賃貸や販売で活用されない住戸が4割を超すと推定されています。
売却に至らない空き家を活用した事例も報告されています。
東京の築24年の木造2階建て、2世帯住宅を当初は売却で検討しましたが、地域に2世帯の需要がなく売買はできませんでした。
しかし、助成金を受けて、1階を改装して地域の交流の場とした例もあります。
利用者からは大変喜ばれていますし、持ち主も空き家にならないで良かったと喜んでいるそうです。
これから、本格的な人口減少が始まり、空き家が増える可能性は大きいです。
資産である空き家を適切に管理し、価値を高める工夫が必要になってきそうです。
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