高齢者や障害者、子どもが、同じ場所で一緒に生活する「共生型施設」への関心が高まっています。
利用者同士の交流も生まれ、福祉分野の人手不足にも対応できるという利点があります。
少子高齢化が進む中で、共生社会の実現に向けた一歩として期待されています。
共生型施設の有効性
東京都江戸川区にある「江東園ケアセンター」は、「共生型施設」になります。
保育施設と高齢者のデイサービス、さらに障害者の生活保護の施設を一所にした「共生型施設」にすることで、いろんな効果が生まれています。
施設では、子どもは、高齢者らと日常的に関わることで健全な成長に効果が期待できています。
高齢者は、子どもの面倒を見るなど役割を持つことで、介護予防などに効果が期待できます。
さらに、障害者は、施設内で園児の昼寝の布団を準備したり、子どもの遊びの手伝いなどの活躍の場を持つことで、自立や自己表現に効果が期待されています。
こうした施設が注目される背景には、共生社会の実現に向けた期待と同時に、福祉施設や介護人材が不足している実情もあります。
高齢者や障害者の介助には共通する部分も多く、福祉にかかわる人材を集約することで、より柔軟な働き方が可能になる可能性もあります。
厚労省が「共生型施設」の指定制度を導入
デイサービスやショートステイなどの施設で、設備や人員配置が高齢者や障害者のどちらかの基準を満たしていれば、もう片方の基準を満たさなくても、厚生労働省の「共生型」の指定を受け、両者を受け入れられる制度が始まっています。
自己負担分以外の費用は、利用者に合わせて、介護保険か公費で賄われるということです。
新たに両方の基準を満たすのはハードルが高いが、片方の基準でよいとなれば、地域の実情に合わせて受け入れられる施設も増えそうです。
さらに、福祉分野の人手不足を解消するため、医療や福祉分野の資格を取得する養成課程の見直しも同時に検討しているとのことです。
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