新築建物の建材に含まれる微量な化学物質が原因で、頭痛や吐き気などの症状が出る「化学物質過敏症」に悩まされている人が増えているという。
過敏症といえば、「シックハウス症候群」が問題化して、政府も改正建築基準法で、シロアリ駆除剤に使用されていたクロルピリホスの使用禁止、ホルムアルデヒドを含む建材の使用量を制限することに踏み切りました。
NPO法人化学物質過敏症支援センターによると、年間約2,000件の相談が寄せられると言います。
中には、発症して職場で働けなくなったり、貧困に陥る人も多いと言います。
「化学物質過敏症」になるしくみ
化学物質過敏症に詳しい専門医によると、肺から吸収された空気中の化学物質が血液に溶け込んで体中を回り、中枢神経系や脳に影響を与えるといいます。
体内に蓄積せれた化学物質の総負荷量が、個々人の許容量を超えると、防御反応が働いて変調をきたすと言います。
変調をきたすと、あらゆる微量の化学物質に対しても反応して、多様な症状が出てくると言います。
問題は、現段階で有効な特効薬はないので、出来るだけ化学物質との接触を避けること、欠乏しがちなビタミンやマグネシウムを摂取したりして、症状の様子をみていくしかないやっかいな病気だということです。
厚生労働省の対応
厚生労働省は、2009年に「化学物質過敏症」を病名リストに登録し、中毒の一症状と正式に認めました。
ただ、「香りや化学物質との因果関係が不明なので、現段階では規制のしようがないと言い、環境中に化学物質が多い上に個人差が大きいので一律の対応は難しい。」と話しています。
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