相続の3パターン、どれを選択するかで大きく変わる

最近の動き

相続は、相続の権利者に遺産をどう分けていくかということに関心が集まりがちです。

故人に借金があった場合は、正の遺産ばかりだけでなく、その負の遺産も相続することは避けたいものです。

相続には、「単純相続」「限定承認」「相続放棄」という3パターンがあります。

後から出てきた故人の借金

夫を亡くしたある女性は、3年が経ったある日督促状を受け取りました。

銀行の住宅ローン債権を買い取った保証会社からのものであり、約1,200万円の支払いを求める内容だったということです。

夫名義で購入した不動産が返済できなくなり、10年前の競売後も残った住宅ローンの残債約2,400万円の妻である法定相続分だということです。

「相続放棄」を試みたが

女性は、相続放棄などを専門に扱う専門家を訪ねました。

専門家は、家庭裁判所で相続放棄の手続きを試みましたが、申請は認められませんでした。

理由は、女性が夫の残していた預金300万円を相続していたためということです。

相続は、資産を一度受け取ってしまうと、後から分かった借金も全て背負うことになるそうです。

相続放棄しても、死亡保険金や遺族年金は受け取れます。

これらは、民法上の相続財産になっていないからだということです。

「相続放棄」が実現しても大変な状況が

この女性の子供達2人にも、法定相続分の約600万円を負担するように保証会社から督促状が届きましたが、2人の子供たちは相続放棄が認められました。

遺産を受け取っていなかったことが相続放棄につながったようです。

ただ、相続放棄が実現したことで、今度は故人の弟らに借金が相続されてしまい、親族間のトラブルに発展したということです。

相続には順位があり、上位の者が放棄すると下位の者に引き継がれることになっているからです。

「限定承認」を選択すると

相続放棄は、3ヶ月以内に申請する必要があります。

手続きしないと、資産も負債も相続したことを選択した単純承認を選んだと見なされます。

3ヶ月という期間はかなり短いので、消費者金融系の日本信用情報機構、銀行系の全国銀行個人信用センターなどに故人の借り入れ状況などを問い合わせる選択肢もあるということです。

隠れた借金などの心配がある場合は、「限定承認」を選択できます。

限定承認は、多額の負債が後で発覚しても、相続した資産以上に支払う必要がない方法です。

ただ、限定承認は手続きが煩雑で、手続きの期間も4~5カ月かかることもあるということです。

限定承認を選択する場合は、故人の死を知ってから3ヶ月以内に、相続人全員で家庭裁判所に申請することになります。

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