新しい時代の幕開けに合わせて、国土交通省は「不動産ビジョン2030~令和時代の『不動産最適活用』に向けて~」を発表しました。
新ビジョンの方向性
「不動産業ビジョン2030」は、不動産業の将来像を下記のように示しています。
〇豊かな住生活を支える産業
〇わが国の持続的成長を支える産業
〇人々の交流の「場」を支える産業
この姿勢は、不動産業界が今後果たすべき役割になると考えます。
今後、我が国は超高齢化社会に突入していきますし、人口も減少していきます。
さらに、不動産に対する捉え方も変わってきているようです。
ひと昔前は、「土地さえ持っていれば安心」と考える人が多かったのですが、今は変わってきています。
国交省の調査では、「土地は預貯金や株式などに比べて有利な資産か」という質問に対して、「そう思う」と答えた人の割合は、平成5年度は約62%だったのですが、平成29年度には約30%まで減ってきています。
不動産への国民の意識の変化が、空き家・空き地や所有者不明土地を生む背景にもなっている状況が伺えます。
不動産を「たたむ」という概念
こういう状況を背景に出てきた考え方が、不動産を「たたむ」という概念だそうです。
有効な活用方策が見込めない不動産は思い切って「たたむ」ことも視野に入れて、適切な「たたみ方」やその後の活用策を探るということです。
遊休不動産の活用策を検討したが、どうしても活用方法が見込めず、放置すると周囲に悪影響を及ぼす不動産は、「たたむ」ことも視野にいれなければいけないということのようです。
ただ、ネットの普及は遠隔地でもさまざまな活動を可能にしています。
また、二地域居住等も実際に実施されてきています。
不動産の立地という評価基準が変化しているということもできます。
可能な人たちの「地方移住」を通して、地方の不動産の活用を見い出していくのも地方の不動産業者の役目といえそうです。
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