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箱根芦ノ湖の水を静岡県へ!「深良用水」

芦ノ湖から深良用水静岡県東部地域情報

深良用水は、箱根芦ノ湖の水を静岡県側へ流すために、1666年から約4年の歳月をかけて湖尻峠の下に掘られた用水トンネルです。

全長は、1,280メートルになります。

この用水は、現在の静岡県裾野市にあった深良村の名主・大庭源之丞が幕府と小田原藩の許可の下、箱根権現の理解と江戸浅草の商人・友野与右衛門の協力を得て完成させました。

この用水によって、かんばつに苦しむ深良村等の農民を救ったと言われています。

現在は、この用水を使った水力発電も行われています。

深良用水の歴史

江戸時代のはじめまで深良やその周辺に住む農民の人たちは、地上に流れる水を十分に利用できず生活用水の確保や米作りに苦労していました。

水が地下に浸透しやすい土地のため、新たに水田を開拓しても、雨が降らないと干ばつに見舞われ、米が実らず収入はなかったと言われます。

そのため農民は貧しい生活をしいられていました。

江戸時代のはじめ、深良村の名主であった大庭源之丞は、芦ノ湖の水を深良に引くことを考え、新田開発の経験がある江戸の商人、友野与右衛門らの協力を得て実行しました。

幕府に用水の計画を提出してから3年以上の月日が経った寛文6(1666)年、工事の許可がおり、8月に深良側から工事が始まりました。

3カ月後には芦ノ湖側からの工事も始まり、当時はのみを使って掘り進められました。坑道の上には、換気のための息抜き穴が掘られるなど先進的な技術が駆使されていたということです。

水路トンネル工事には延べ84万人の作業員が動員され、完成まで3年半かかり、合流地点での高低差はわずか1メートル程度という高い測量技術が伺えます。

深良用水合流地点

世界かんがい施設遺産へ登録

深良用水は、完成から340年以上が経過し、現在も市内の農業や水力発電に必要な水を流し続けています。

先人の偉業と地域の方々の長年に渡る維持管理の努力が世界に認められ、国際かんがい排水委員会(ICID)が創設したかんがい施設遺産に登録されています。

かんがい施設遺産制度は、平成26年度に創設された制度で、歴史的なかんがい施設を国際かんがい排水委員会(ICID)が登録・表彰する制度になっています。

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