不動産売買において、固定資産税などの公租公課を売主、買主でどのように負担するのか、その方法はひとつではありません。
負担割合を決める起算日(課税の対象となる期間)について、暦に合わせて1月1日~12月31日であるとする考え方と国等の会計年度に合わせて4月1日~翌年3月31日とする考え方の2通りがあります。
首都圏では、1月1日から、関西圏では4月1日からとして取引されている事例が多いと言われています。
固定資産税は、その年の1月1日の所有者に1年分の税額が賦課されますので、起算日の設定と引き渡しがあった日で負担額が違ってきます。
具体的な例で見ていきたいと思います。
公租公課の設定額と引き渡し日
前年度 公租公課 年額 328,500円
本年度 公租公課 年額 365,000円
引き渡し日が1月31日の場合
1.起算日が1月1日の場合
- 売主の負担 ⇒ 1/1~1/30 の30日分
365,000円 × 30日 ÷ 365日 = 30,000円
- 買主の負担 ⇒ 1/31~12/31 の335日分
365,000円 × 335日 ÷ 365日 = 335,000円
2.起算日が4月1日の場合
- 売主の負担 ⇒ 前年の4/1~本年1/30 の 305日分
328,500円 × 305日 ÷ 365日 = 274,500円
- 買主の負担 ⇒ 本年1/31~3/31 の 60日分
328,500円 × 60日 ÷ 365日 = 54,000円
本年度分 365,000円 の合計 419,000円 となります。
引き渡し日が6月30の場合
1.起算日が1月1日の場合
- 売主の負担 ⇒ 1/1~6/29 の180日分
365,000円 × 180日 ÷ 365日 = 180,000円
- 買主の負担 ⇒ 6/30~12/31 の185日分
365,000円 × 185日 ÷ 365日 = 185,000円
2.起算日が4月1日の場合
- 売主の負担 ⇒ 4/1~6/29 の 90日分
365,000円 × 90日 ÷ 365日 = 90,000円
- 買主の負担 ⇒ 6/30~翌年3/31 の 275日分
365,000円 × 275日 ÷ 365日 = 275,000円
を負担することになります。
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