少子化に伴って、近年全国で年約500校もの公立学校が廃校になっているということです。
いかに、校舎を活用していくかが課題になっています。
吉本興業東京本部は小学校の廃校舎
お笑い芸人を輩出してきた吉本興業東京本部の社屋は、1995年に廃校となった東京都新宿区の旧区立四谷第五小学校の校舎です。
昭和9年に完成した校舎は、モダンな3階建てです。
オフィスには、黒板や校内放送のスピーカーが残っています。
教室のドアや廊下との仕切りを取り払い、各部署のオフィスにしているということです。
関連会社を含む600人の社員が働いており、芸人の稽古や打ち合わせの場所としても使用されています。
建物は、できるだけ現状のままで利用されており、1階には社員食堂もあるそうです。
テラスでは、芝生の広がる中庭を眺めながら食事も楽しめるそうです。
体育館は、席を固定しないフリーの社員ミーティングや記者会見にも使用しているということです。
IT企業誘致の島根県浜田市の例
島根県浜田市では、近隣にIT企業が少なく、この分野に力をいれたいと希望していました。
人材確保が優位に進められることや、自然豊かな環境で仕事ができるということで企業進出の決め手になったようです。
県とも連携して、賃料を8年間、ネット通信料を5年間無料にするなどの支援策も決め手になったようです。
観光施設で蘇らせる
豊かな自然環境を生かして、年間18万人が訪れる観光施設として生まれ変わった学校もあります。
旧淡路市立野島小では、東京の人材派遣会社が新規就農希望者を育成する施設にしました。
1階は地元の食材を使ったベーカリーやカフェ、野菜の加工所や直売所、2階はイタリアンレストラン、3階にはバーベキューテラスがあります。
校庭では、アルパカやヤギを飼育し、子供連れに人気だということです。
目の前は、きれいな海が広がり、夕暮れ時はすばらしい景色が眺められるということです。
公立学校の廃校
文科省の調査によると、2002~2015年度に全国で廃校になった公立学校は、計6800校余です。
福祉施設や企業事務所として再利用されているケースもありますが、約2割は用途が決まらず放置されているということです。
山間部で交通が不便な学校ほど廃校になりやすく、活用が難しいという側面があります。
場所をあまり選ばず、施設の改修もそれほど必要ない業種にとっては、利用価値が高いといえるかもしれません。
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