増え続ける「空き家」は、そのまま放置するだけではもったいないですね。
各地の活用策を参考に、何とか大事な資産を社会で復活させたいです。
空き家を何とかしないと。
各地の事例を参考にしたいですね。
空き家を業者が借り上げてリノベーション
親が亡くなって実家を相続した人が、思い入れもあって売却する気にもなれない、しかも古い建物で耐震性の問題もあるということでそのままにしていました。
そうした時、リノベーションを専門とするある業者から事業の提案がありました。
この業者は、所有者から空き家を借り上げ自費でリノベーションした上で別の人に賃貸する事業をしています。
改修費は業者が負担するので不要ですから、空き家の持ち主は業者に賃貸しました。
空き家は、耐震性を高めつつ広々とした建物に生まれ変わり、今は事務所兼住宅として使われているということです。
空き家の持ち主は、大切な家を気に入って使ってもらえてうれしいと喜んでいるということです。
業者は6年間で投資費用を回収
この業者のシステムは、空き家を借り上げ、改修した後に6年間賃貸します。
所有者は、改修費の負担はありませんが、6年間に得られるのは家賃の1割で、残りの9割は業者のものだそうです。
業者はこの6年間で、家の改修費用と利益を出すシステムです。
7年目以降は、所有者が直接貸し出す形になり、家賃の全額が所有者の収入になるということです。
空き家をプラスの資産に変えられるこのシステムは、これから脚光を浴びそうです。
空き家を活用する各種の方法
空き家は売却が難しいと言われています。
売却価格が低いと見込まれることが、仲介業者を消極的にしている側面もあります。
そこで、空き家売買のマッチングサイトを立ち上げ、空き家物件の売却希望価格などと共に登録するシステムも登場しています。
サイト上で購入希望者との交渉や内覧の打ち合わせなどを実施して、売買契約の際は業者が間に入るシステムです。
また、別なシステムでは、空き家を登録しておき、空き家の活用法について買ったり借りたい人以外でもアイデアを書き込めるそうです。
多くの人が関わることで、空き家が継続的に利用されやすくなると期待されています。
今後は、改修費の一部資金をネットで募ったり、希望者が改装作業に参加できることも検討されているようです。
各地で増え続ける空き家の活用法が模索されていますが、貴重な資産である空き家が有効活用されることを期待したいものです。
福岡県福津市の津屋崎千軒
江戸時代から大正時代に海上交易や製塩で栄えた福岡県福津市の津屋崎地区は、細い道に古い家屋が並んだ地区で、津屋崎千軒と呼ばれています。
この地区は、改修した空き家を活用したまちおこしが進んでいます。
ここ10年で移住者が増え、今は「空き家待ち」が出るような状況だそうです。
築約140年の木造2階建ての古民家では、人と人の交流の場として「津屋崎空き家活用応援団」を結成し活動を続けています。
歴史漂う街で「空き家再生」
この古民家では、民泊の届け出を行い、2階の和室を宿泊場所として旅行客らに提供しているということです。
津屋崎千軒では、私鉄路線の廃止などで減少傾向だった人口も、この9年間で約200人増えたということです。
空き家に明かりが点ることにやりがいを感じつつ、人と人とのつながりがさらに人を呼ぶ好循環が生まれつつあるようです。
空き家活用支援策を国が強化
少子高齢化に伴い空き家が増え続けています。
空き家の活用策に取り組む動きが全国に広がり、津屋崎千軒のような取り組みが各地で始まっています。
国も空き家の活用について様々な支援策を打ち出しています。
国土交通省では、「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」を今年度からスタートさせました。
空き家に関する相談体制の構築や人材育成に取り組む団体などに補助金を支給しています。
津屋崎千軒の空き家活用活動もこのひとつになります。
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