嫌悪施設は、近隣に立地することが嫌がられる施設をいっています。
住宅地での立地について紛争が発生したり、地価に影響を与える場合もあります。
具体的には、公害発生の恐れがある施設、不快感や危険感を与える施設、風紀を乱す恐れのある施設、地区のイメージやまち並みを低下させる施設などがあります。
ただ、法令に合致した立地であればその立地を抑制することは財産権の不当な制約となる恐れがあり、また、立地の影響を客観的に評価することも困難な面があります。
当然、必要な施設もあり、個別具体的に、立地の当否について社会的な合意を図っていくしかない側面もあります。
住宅地での代表的な嫌悪施設
住宅地における嫌悪施設には、騒音・振動・ばい煙・臭気・危険を予見させる施設・心理的に嫌な施設など住宅地のイメージを損なう施設などが考えられます。
想定される影響 | 具体的施設例 |
騒音・振動 | 主要幹線道路・高速道路・鉄道・飛行場・地価軌道・空港・物流施設 等 |
ばい煙・臭気 | 工場・下水処理場・ごみ焼却場・養豚場・養鶏場・火葬場・飲食店排気口 等 |
危険を予見させる | ガソリンスタンド・高圧線・危険物取扱工場・貯蔵庫・反社的事務所 等 |
心理的な嫌な施設 | 墓地・刑務所・風俗店・葬儀場 等 |
重要事項説明における「嫌悪施設」の調査
一般的な嫌悪施設には、上記のような施設が考えられますが、明確な定義は存在していません。
社会通念上明らかに嫌悪施設である場合を除き、主観的な不快感にとどまる場合も多く考えられます。
宅地建物取引業法では、重要事項説明で顧客の方が主観的に嫌悪する施設であると推定される場合には全て説明をする必要があるとされています。
しかし、嫌悪施設までの具体的な距離や、嫌悪施設の明確な判断基準が示されていませんので不動産業者が個別で対応することになります。
実際は、物件周辺を歩いて想定される嫌悪施設を確認すると同時に売主や近隣住民にヒヤリングをする、役所で嫌悪施設による問題が発生していないかなどを確認することになります。
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