静岡県の水ワサビ栽培が、世界農業遺産に登録されました。
きれいな水と伝統的な栽培方法が評価されたものです。
静岡のワサビが何かに登録されたのですか?
世界農業遺産登録に登録されました。
静岡水ワサビ栽培
国連食糧農業機関(FAO)は、静岡県内のワサビ生産者や県、市町などで作る協議会が申請していた「静岡水わさびの伝統栽培」を世界農業遺産に認定しました。
静岡県では、2013年5月に認定された掛川、菊川市など5市町の「静岡の茶草場農法」に続き2件目となります。
世界農業遺産は日本国内では11地域になりましたが、同じ都道府県内で二つの世界農業遺産があるのは静岡県が初めてとなりました。
今回認定されたワサビ栽培地域は、伊豆地域の各市町と静岡市の3市4町となります。
静岡県では、江戸初期に始まったワサビ栽培発祥の地とされる静岡市葵区有東木地区と「畳石式」で発展した伊豆地域を擁しています。
この地域で栽培されるワサビは、豊かな湧水を背景に年間を通じて高品質なワサビが栽培されています。
伝統的な農法やワサビ田を核にした農村文化などが認定の要件を満たしたとみられています。
2016年の静岡県の水わさびの栽培面積は、121ヘクタール、産出額は40億円で、いずれも全国第1位となっています。
今後、豊かな自然の中で湧水の養分ですくすくと育つわさびとともに、この静岡県がますます脚光をあびることを願っています。
ワサビ築田技術を伝承!
静岡県の賀茂農林事務所は、このほど河津町でワサビ田の築田技術研修会を開催しました。
ワサビ栽培は、世界農業遺産の認定で注目が集まっています。
主要産地である伊豆半島の天城山麓では、「伊豆式」とも呼ばれる畳石式ワサビ田の伝承が課題となっています。
20~40代の若手生産者15人が、明治時代から伝わる伝統栽培方法を学びました。
静岡県が賀茂地域の生産者76人を対象にした調査では、石積みの経験者は約4割にとどまっています。
伊豆地域で開発された畳石式はワサビ田の表面と内部に水を通し、水温を安定させて根茎を大きく育てる手法だということです。
豊富な湧き水に恵まれた天城山麓は段々畑の石垣が広がりますが、生産者の高齢化が進み、放棄地も散見されるようになってきました。
静岡県は、再生の様子を映像で記録し、参考資料として保存するということです。
モデル事業の段々畑は、観光や体験学習にも活用し、5月には地元の小学生が参加して苗を植えることも検討されています。
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