2018年6月18日に発生した大阪府北部地震で、高槻市の小学校のプールにあった目隠し用のブロック塀が40mに渡って道路側に倒壊しました。
ちょうど登校中の小学校4年生の女の子が下敷きになってしまいました。
ブロック塀の高さは、約3.5mで、建築基準法の制限2.2mを超えており、1.2mを超える場合に必要な「控え壁」もありませんでした。
静岡県内のブロック塀対策
静岡県内でブロック塀のある幼稚園、保育園、小中学校、高校などの公立学校は360校あったそうです。
その中で、外観調査や内部点検で安全対策が必要とされたのは247校で、うち222校で撤去もしくは改善が終了したということです。
実施率は86%で、未対応のブロック塀に関しては当該市町が2019年度予算で事業費を計上しているため、年度末までにはほとんど完了する見通しとのことです。
また、県有施設ではすべて完了したということです。
通学路沿いのブロック塀は
一方で、学校のブロック塀と同様に危険性が大きいとされる通学路を巡る対策では、まだ進んでいるとは言えない状況のようです。
確かに、地震後一般住宅のブロック塀撤去申請が急増したことがわかっています。
しかし、県内の不適格なブロック塀は緊急輸送路沿いだけでも2017年度時点5,200か所超あり、さらに一般道路沿いのブロック塀危険個所ともなれば把握すらできていないのが現状のようです。
補助金の継続、そして充実化
文部科学省は、2018年11月自治体のブロック塀対策を推進するため臨時特例交付金を設けました。
従来の交付金は、国が策定した事業費の3割を上限に補助をする内容でしたが、臨時特例交付金は、この制度を拡充し最大7割を補助する仕組みに変更しました。
しかし、対象は2019年度中の工事に限られ、2020年度以降は従来の制度に戻ることになっています。
補助額は、実際にかかった費用ではなく、国が算定した対策費を基に補助額が決まるため、補助額が実情に合わないケースもあるようです。
安全対策を進める上で、予算確保に苦慮する自治体も少なくないということですから、国の補助金の継続化と充実化はぜひ実施してもらいたいと思います。
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