政府の規制改革推進会議は、デジタル社会の実現に向けた当面の取り組みをまとめました。
その中で、不動産売買の際に宅建業者から実施される「重要事項説明」をオンラインで実施することを可能とする答申がされました。
賃貸の「重要事項説明」は、以前からIT重説が認められていましたが、売買ではこれまで対面での説明が必要とされてきました。
政府は、3月までに指針を改定して、テレビ電話での説明を可能とする予定です。
コロナ禍でのIT重説導入
国土交通省は、不動産売買時の重用事項説明について、テレビ電話など非対面でも可能とする方針を決めました。
「IT重説」は、新型コロナ感染症の感染拡大の影響を受け非対面ニーズが高まっていることや、菅内閣発足で急がれているデジタル化動きに対応しています。
IT重説とは、「宅地建物取引業法第35条に基づき宅地建物取引士が行う重要事項説明を、テレビ会議等のITを活用して行うこと」を指しています。
パソコンやテレビなどの端末を利用して、対面時と同様に説明や質疑応答が行える双方向性のある環境が必要となります。
国土交通省の言うIT重説のメリット
・遠隔地の顧客の移動や費用等の負担軽減
・重説実施の日程調整の幅の拡大
・顧客がリラックスした環境下での重説実施
・来店困難な場合でも本人への説明が可能
これまでは対面に限られていた契約前の手続きを遠隔で実施できるようになったことで、より柔軟な対応が可能になりました。
今後の課題
IT重説の実施にあたっては、使用するIT環境について一定の条件が必要です。
図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像を視認できることが必要です。
さらに、双方向で問題なくやりとりできる環境において実施していることが必要です。
しかし、現状IT重説の実施には、宅地建物取引士が記名押印した重要事項説明書及び説明に必要なその他の資料を相手方に事前送付することが必要です。
事前の送付は、電子メール等の電磁的方法による交付は認められないということです。
デジタル化により効率化が進みそうですが、賃貸借・売買ともに「重要事項説明書等の電磁的方法による交付」の解禁が次の課題と言えます。
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