不動産の媒介契約は、不動産の売買等の取引に関して、宅地建物取引業者が売主や買主の間に立ってその成立に向けて活動しますという旨の契約になります。
宅地建物取引業法では、媒介契約について、契約内容を記した書面の交付義務、媒介報酬の制限などを規定しているほか、媒介契約に従って行なう活動の方法等についてそのルールを定めています。
媒介契約の内容とは
宅建業者は、不動産の売買等に係る媒介契約を締結したときは、遅滞なく、媒介契約の内容を書面に記載し、記名押印のうえ依頼者に交付しなければならないと宅建業法に規定されています。
書面に記載する内容は、
(1)当該不動産を特定するための所在、地番、構造等
(2)当該不動産の売買すべき価額又は評価額
(3)当該媒介契約が、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約かの区別
(4)媒介契約の有効期間及び解除に関する事項
(5)指定流通機構(レインズ)への登録の有無
(6)報酬に関する事項 等
また、媒介契約の内容を書面に記載する場合、国土交通大臣の定めた「標準媒介契約約款」を使用するよう通達もでています。
媒介契約の種別
専属専任媒介契約は、不動産の売買等の媒介契約で、依頼した宅地建物取引業者が見つけた相手方以外の人と売買等の契約を締結することができない旨の特約が付いた契約をいいます。
よって、依頼者は取引の相手方を自分で見つけても、依頼した宅地建物取引業者の媒介なしには契約できないことになります。
専任媒介契約は、不動産の売買等の媒介契約で、媒介の依頼者が他の宅地建物取引業者に重複して売買等の媒介依頼することを禁ずる媒介契約をいいます。
一般媒介契約は、上記の契約方式と違って複数の宅地建物取引業者に依頼をすることが可能な契約方式です。
不動産の売却を考えている方が、どの媒介契約の方式を選ばれているかは正確にはわかりませんが、ある調査では、一般が45%、専任が39%、そして専属専任が16%という結果でした。
売主の方は、早く買主の方が見つかることが最大の目的ですから、それぞれの方式の特徴を理解して選ばれたらと思います。
ただ、専属専任と専任方式は、契約期間が3ヶ月(延長可)と決められていますので、この方式でスタートして、状況で一般に切り替えて多くの不動産業者で競わせることも考えてもいいかと思います。
物件の囲い込み
物件の囲い込みとは、不動産の売却を依頼された不動産業者が、意図的に他の不動産業者に物件を紹介しない行為をいっています。
囲い込みがされるのは、依頼された物件の仲介すれば、売主、買主の双方から仲介手数料を得ることができることが大きいです。
これを業界用語で、「両手取り」と言っていますが、囲い込みは、依頼主の利益を損うほか、仲介の倫理に反する行為になります。
このため、不動産業者専用のデータベースである「レインズ」に専属専任と専任の媒介契約は登録が義務付けられています。
ただ、このレインズデータに公開された情報を見ていると、売主の意向を組んで詳しい情報を提供している業者とそうでもない業者がいて、囲い込みの傾向が出ている気がしています。
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