人が亡くなれば相続が発生します。
日本国内で1年間に相続される資産総額は50兆円強と言われています。
この相続財産を最近では、公益性の高い団体に寄付したいという人が増えてきているということです。
遺贈
ある80代の女性は、日本赤十字社に遺産を寄付する内容の遺言書を作成しました。
30歳代で離婚し、財産を託す配偶者や子どもはいないということです。
貯めてきたお金は、自分が生きてきた証で、交流もない親族に渡っていくより、自分らしく決めたかったと言います。
変わっていく相続
家族の形や価値観が多様になる中、死後の財産を非営利法人などへ送る「遺贈」を選ぶ人も増えているということです。
法定相続人がおらず、遺言書も作っていなければ故人の遺産は国庫に入ることになります。
最高裁の資料では、相続されずに国庫に入った個人の金銭などは、17年度に約520億円もあるということです。
そこで、「国庫に入るくらいなら、納得のできるところに寄付したい」と考える人が増えてきたと思われます。
増える寄付
「遺贈寄付サポートセンター」を運営する日本財団によれば、2015年度に150件だった遺贈に関する相談が、2017年度は約820件になったということです。
財務省の資料によると、高齢で亡くなった相続人が50歳以上だった割合も増え続けています。
相続遺産が住宅資金や教育資金に回らず、滞留する「老々相続」が進んでいるということです。
生前贈与を促す政策も必要と思われます。
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