市街化調整区域は、市街化を抑制するために設けられた区域です。
その区域の不動産を購入する時は、しっかり調査してから購入しましょう。
市街化調整区域の土地は注意が必要と聞きましたが。
不動産業者や自治体に確かめましょう。
市街化を抑制する区域
市街化調整区域は、「市街化を抑制する区域」であり、用途地域を定めないことが原則となっています。
自治体などによる都市基盤の整備も積極的にしないことが原則となっています。
ただ、市街化調整区域で例外的に許可されるものとして、
①市街化調整区域に立地することを認めざるを得ないもの
②市街化調整区域に立地することを認めても差し支えない ものがあります。
一般の住宅の建築については、原則は許されておりませんが、一定の条件のもとで、開発行為により宅地分譲や建売分譲などが行なわれることもあります。
また、平成13年に施行された改正都市計画法により、市街化調整区域で新たに住宅などを建てる場合の要件が緩和されました。
追加要件では「市街化区域に隣接、または近接し、市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域」で「おおむね50以上の建築物(市街化区域内のものを含む)が連なっている地域」での開発行為を認めることになりました。
ただ、細かい許可基準などは、それぞれの自治体の条例で定めることになっています。
何といっても、市街化調整区域の土地の購入を検討する場合は、事前に各役所の担当窓口などで詳細を確認することが重要になってきます。
なお、農林漁業従事者の住居などは別扱いで、事前の届出や協議などで済むことが多いと思われます。
市街化調整区域での住宅建設
市街化調整区域では、新しく住宅を建設するときやリフォームの時に注意が必要です。
住宅の建て替えですが、いったん開発許可を受けて建てられた住宅や敷地であれば、建て替えもすんなりと認められるケースが多いと思われます。
特に、例外的に用途地域などが定められた市街化調整区域内の敷地なら、建て替えの制約も少なくなっていると思います。
ただ、同一用途の建て替えは認められても、専用住宅を店舗兼用住宅に建て替えることや、リフォームによって既存建物の用途を変更することなどは認められない場合も多いので注意したいところです。
一方、市街化調整区域に指定されるよりも前から建っている住宅も少なくありません。
以前は、このようなケースは「既存宅地」という制度で、一定の要件に該当する建物であれば許可がなくても建て替えが可能でした。
しかし、改正によりこの制度が廃止されたため、建て替えなどをしようとするときには許可を受けなければいけなくなりました。
今までの制度に代わる独自の基準を設けている自治体が多いので、各自治体に確認が重要になってきます。
市街化調整区域での設備状況
都市近郊の市街化調整区域では、市街化区域と利便性があまり変わらないのに安く売りだされる宅地や住宅もあり魅力的に感じることもあるかと思います。
分譲される宅地や建売住宅の場合には、周辺環境に恵まれたうえで上水道や下水道、ガスなどの整備もされていることが多く、生活には何ら支障がない物件もあります。
しかし、そうでない市街化調整区域内の敷地では、上水道、公共下水道、都市ガスなどが整備されていなかったり、電気や電話も離れたところから引いてこなければならなかったりするケースもあるので注意が必要です。
また、住宅の新築や建て替えなどがどの程度まで認められるのかについて、購入を決める前の段階でしっかりと確認しておくことが重要です。
もし、住宅などが建っていなかった土地の場合、「許可を受けられないことが原則」であることを念頭において考えなければなりません。
さらに、住宅の建築が認められる場合でも、金融機関が住宅ローンの融資をしなかったり、担保評価を低く評価して融資額を減額したりするケースも考えられます。
市街化調整区域の宅地や住宅は、市街化区域のそれに比べ価格面等での有利な面と制約等での不利な面があるので十分な調査が必要です。
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