阪神・淡路大震災等の大規模地震では、谷や沢を埋めた造成宅地、傾斜地盤上に腹付けした造成宅地において、盛土と地山との境界面や盛土内部を滑り面とする地滑り、崩落が生じ、造成宅地における崖崩れなどの被害が発生しました。
東日本大震災で被害を受けた宅地の多くは1970年代以前に造成されていました。
宅地造成等規制法等の改正により技術基準を強化した2006年以降に造成された宅地においては被害が発生していませんでした。
国は、1、3,000㎡以上に盛り土した谷埋め型
2、傾斜が20度以上ある斜面に高さ5m以上の盛り土をした腹付け型
を「大規模盛り土造成地」として定義し、各自治体に分泌マップの作成と危険度の調査、国の補助による地震対策工事を求めています。
小規模盛り土造成地の存在
大規模盛り土造成地の規制から漏れた小規模の盛り土造成地が、全国主要都市に少なくとも4,201か所あることがわかりました。
内訳は、
1、谷埋め型だが面積が狭いため該当しなかったが、1,278か所
2、腹付け型だが角度や高さの基準を満たさなかったが、2,749か所
3、その他が、174か所
ですが、実際はもっと多いのではと言われています。
どうする地震対策
全国に散らばる小規模盛り土造成地への対策は、行政の予算に限界がありなかなか難しい側面もあるようです。
個々の宅地への税金の投入は住民の理解も難しい面もあり、対策は、宅地を購入した人たちに委ねられているのが実情のようです。
宅地の購入時には、地形図を参考にして、くぼ地を埋めて平らにした盛り土ではないか、周囲が擁壁で囲われていて盛り土した斜面ではないかなど注意することが大切ということになります。
もし盛り土した造成地を購入した場合は、事前の対策工事としては、盛り土へのくい打ちによる耐震化も有効になると思います。
費用としては数百万円と高額になりますが、安全と安心のためには必要になってくると思われます。
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