道路や橋といったインフラの老朽化は深刻な問題です。
インフラは高度経済成長期の1960年代以降に集中的に整備されたものが多く、建設から半世紀以上がけいかしています。
点検や修繕が今まで以上に必要になっているが、人口減少で人手や財源が不足している。
保守点検の現場では、最新技術に活路を見い出す動きが広がっています。
最新型点検車両の導入
鉄道のトンネル内を「インフラドクター」と呼ばれる保守点検車両が時速20㎞でゆっくり進んで点検を実施する車両があります。
このインフラドクターは、橋やトンネルにレーザーを照射して、跳ね返ってくる時間から物体の形を数値化できます。
車載の全方位カメラで撮影した映像と併せて、橋やトンネルを三次元画像として構成し、この画像を解析することで、コンクリートの剥離や内部のひび割れによるコンクリートの浮きも確認できるということです。
この車両の導入のメリットは、点検に係る人手と費用を減らせることになります。
例えば、トンネル31か所、全長17㎞を目視点検するには延べ105人の作業員で15日間かかるところを、このインフラドクターでは延べ18人で3日間で出来るということです。
費用も4割削減できるということです。
ドローンの活用
千葉県では、小型無人機ドローンを橋の点検に活用している。
実証実験では、撮影角度の確認やカメラの改良を重ねている。
また、神戸市では貯水池の維持管理のため水中ドローンを使う実証実験を行っています。
この作業は、本来潜水士が目視で行っていた作業です。
インフラの老朽化
国土交通省によると、建設から50年を経過した道路橋は2018年3月時点で25%を占めています。
これが、15年後には63%になります。
道路トンネルは、20%から42%になる見込みです。
2012年に中央自動車笹子トンネルで天上板崩落事故が発生しました。
この事故を受けて、道路橋や道路トンネルは5年に1度の点検が義務付けられています。
この点検結果によると、全国約72万カ所の道路橋のうち、5年以内に修繕が必要なのが1割に相当し、道路トンネルでは全国約1万カ所の4割が相当するとのことです。
ドローンやセンサー、人工知能AIといった新技術の採用や民間委託で対応することが求められています。
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