古民家暮らしの人気が高まっているようです。
住まいに安らぎや癒しを求めるニーズだけでなく、自然に囲まれた暮らしや、広い間取りが評価されています。
しかし、築年数が長いだけに、想定外の問題もいくつかあるようです。
古民家の特徴とは
古民家の活用を支援する一般社団法人「全国古民家再生協会」では、古民家を次のように定義しています。
1950年(昭和25年)の建築基準法制定時にすでに建てられていた「伝統的建造物の住宅」がそうです。
その特徴は、
①石の上に柱を乗せる「石場建て」を基礎にする。
②木材に切り込みを入れ、はめ合わせて建物を組み上げる。
③瓦や茅葺きの屋根である。 など
同協会事務局に古民家購入の問い合わせは年々増加しているということです。
想定外の問題
実際に古民家を購入して、リフォームして住まわれた人の声です。
住居は、築約70年の木造2階建てで、延べ床面積は約120㎡でした。
水廻り等は改装しましたが、古民家らしい部分には極力手を加えなかったということです。
ところが、予想しなかった問題の連続で悩まされたということです。
想定外だったのは、冬のすきま風で、家の中にいても寒さで凍え、2台のエアコンつけっぱなしの状態だったということで電気代はかなりの金額になったということです。
開口部の木製建具を金属製のサッシに取り換えればすきま風は防げますが、それでは古民家の風情が失われることになります。
一方、夏には自然に囲まれた生活のため、家の隙間からクモやムカデ、へびなどが侵入することもあるということです。
網戸がないので、開口部は閉めざるをえず、縁側で子供と花火をする夢は不可能だったということです。
シロアリ被害調査が必要
古民家の選ぶに当たっては、綿密な事前調査は欠かせないということです。
見栄えがきれいでも、実は柱や床下がシロアリの食害でボロボロになっている事例が多いということです。
同協会では、床下検査、耐震診断、鑑定をセットにした調査(費用の相場は約30万円)を実施しているとのことです。
鑑定項目は、石場建ての腐朽の有無、上壁の厚みなど約500項目に及ぶということです。
住宅ローンが難しい
古民家は、資産価値の鑑定が困難でローンが組みにくいこともあります。
金融機関の中には、同協会と連携して、古民家の資産価値を算出し購入やリフォーム資金を融資するところも現れてきました。
ただ、こうした金融機関はまだ少数で、住宅ローンの利用は難しいといえます。
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