各地の水道施設は老朽化した配管の交換が大きな課題になっています。
ところが、昨年続いた水害で、水道施設の防災対策の遅れが浮き彫りになりました。
台風や大雨で断水が相次ぎました。
厚生労働省の調査では、浸水想定区域にある全国の水道施設の8割で防水壁などが未整備で、水道インフラの災害リスクは各地に潜んでいるそうです。
浸水で断水に
台風や大雨で川が氾濫すると、流れ込んでくる水は浄水場にも流れ込んできます。
浄水場が高所にあれば問題ありませんが、浸水想定区域にあると流れ込んだ水は浄水場にある送水ポンプや電源盤をも水没させます。
水没すれば、故障して動かなくなり断水につながっていきます。
対策として、「防止扉」や「入口のかさ上げ」などが考えられますが、現状は浸水想定区域にあるほとんどの浄水場で対策は出来ていません。
防災対策の遅れの原因
防災対策の遅れの背景には、水道事業の財政難もあります。
厚生労働省によると、人口減などで全国の水道事業体の1/3が供給コストが料金収入を上回る「原価割れ」の状況です。
国は、2018年12月から重要度の高い水道施設に対し、災害対策費の1/3~1/4を補助する緊急対策を始めています。
地球温暖化の影響でしょうが、年々激しさを増す豪雨は、これまで想定できなかった取水口や水路の閉塞といった新たな問題も浮上しています。
専門家によると、施設強化などのハード対策は時間やコストがかかるので、「水害の発生を前提に、水の備蓄や応急給水体制の充実といった対策」が重要だということです。
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