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マンション管理組合の苦情問題と対応

マンションの苦情問題 不動産の情報

マンションでは、共用部分の利用、相隣関係、理事会の業務執行、分譲業者のアフターサービス、管理業者の業務対応など、幅広い分野での苦情が管理組合に寄せられます。

マンションでの生活のコミュニティ形成の良否がクレームの対策と処理に大きくかかわってくる場合もあります。

マンションにおける苦情では、苦情の原因や背景、当事者、管理組合としての対応の必要性、相談機関の利用、専門家への委任など、苦情の種類によって難しい判断が必要になってくる場面が多くあります。

苦情対応の実例をみながら、問題対応を考えてみたいと思います。

ペット飼育問題

ペット飼育を巡る問題は、ペットの飼育の可否を議論しても必ずしもうまく対応できないようです。

ペットの好きな人と嫌いな人とでは、正反対の認識を持っているものです。

使用細則などで、「他の組合員等に、迷惑又は危害を及ぼすおそれのある動物を飼育することを禁止する。」というような抽象的な表現は混乱を生じさせる可能性があります。

ペットの飼育が使用細則等に違反し、共同の利益に反する行為に当たる場合は、飼育の停止等を請求することができます。

【参考判例】(東京高裁)

マンション内で動物の飼育について、具体的な被害の発生を問わずに一律に禁止する規約が当然に無効であるとはいえない。

また、犬の飼育禁止を定める規約に改正される以前から犬を飼育していた区分所有者は、当該規約の改正によって「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす」場合に該らない。

駐車場問題

マンションの駐車場は、区分所有者全員の共有敷地の一部を特定の区分所有者が、管理組合との駐車場使用契約により専用使用する形態が一般的になっています。

そして、収容台数が限られていることから、使用できない組合員から不満や苦情が出ることがあります。

ただ近年は、車離れで逆に空き駐車場の問題も発生しています。

駐車場は、使用をめぐる公平な基準作りと運用が重要になってきます。

国土交通省では、駐車場利用希望者が多い場合は、使用期間を設けて期間終了時に公平な方法により入れ替えを行う「定期入れ替え制」を提案しています。

集会室の運営問題

集会室は、一部の組合員が反復して使用することが多く、使用機会の均等化について問題が生じることがあります。

そのため、集会室の使用目的及び要領、使用できる資格、使用料、ルールを守らない場合の対処方法などについて、具体的に明示しておくことが必要になってきます。

ゴミ置き場の利用問題

ゴミ置き場の適切な利用は、モラルの問題でもあります。

問題解決には、居住者の自覚を促すとと共に、管理組合が、指定日以外にごみを捨てないこと、決められたとおりに分別して出すように広報活動を強化しましょう。

また、清掃キャンペーン等を行って、居住環境の美化に積極的に取り組むことが重要になってきます。

音に関する問題

マンションでは、生活音が発生することは避けられません。

音は、同音同質の音であっても、人によって受け取り方が異なります。

音は、気になりだしたら何でも騒音に感じるという性質ももっています。

日頃のコミュニケーションを良くして、相隣関係を気遣う共同生活への配慮を形成していくことが重要です。

良好なコミュニティを形成していると、相手への思いやりも出て、クレームにならないこともあります。

居住者の意見を十分踏まえた居住ルールを設定することが大切になってきます。

駐輪場問題

駐輪場の収容能力以上の自転車が保有、使用されていると問題が発生してきます。

駐輪場を拡張することは一つの解決方法ですが、居住者の使用マナーの向上や不要自転車の一斉整理等を行うことも効果があります。

所有自転車の登録制や駐輪場使用料の検討も一つの方策になってきます。

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