マンションの空き室問題が深刻な影響を及ぼしてきています。
管理組合が機能せず、基礎的な修繕もできていない物件が増えてきているようです。
管理組合がなく損壊も修繕できない
ある県に実在するマンション、建物の中央部の外壁が剥落していますが、シートもかけられず、鉄骨がむき出しになっています。
このような危険な状況が数カ月続いているということですが、住民は生活しているものの管理組合はなく、壁の修繕に関する話し合いの会議も開けない状況です。
東京都の2011年の調査では、6.5%の物件が「管理組合がない」と回答しています。
さらに、未回答の物件を追加で抽出したところ、「管理組合がない」と答えた割合は15.9%にも上ったということです。
管理組合がなければ、危険な損壊等が放置され、住民だけでなく周辺地域にも悪影響が出ます。
そこで、自治体では、管理組合や管理規約の有無を提出させたり、管理組合の設立を支援したりする動きを加速させています。
老朽マンションは戸建てよりも空き状態が長期化しやすい
総務省によると、戸建てを含めた空き家の数は13年10月時点で約820万戸です。
この内、半数超の約471万戸が分譲マンションに賃貸アパートなどを加えた共同住宅ということです。
さらに、この内の約173万戸は建築時期が分からず、老朽物件がかなり多いと言われています。
専門家によると、老朽マンションは戸建てよりも空き家の状態が長期化しやすいということです。
負のスパイラル
空き家になる理由で多いのは相続だそうです。
戸建てなら建物を解体して、更地での売却が可能ですが、マンションではそれが不可能です。
空き家が増えたマンションでは、管理費や修繕積立金も減っていきます。
空き家の増加 ⇒ マンション管理の不全 ⇒ 空き家の増加 といった負のスパイラルが進んでいます。
戸建てなどでは、リノベーションの後に新たな入居者を募ったり、オフィスや店舗に転用したりする工夫が進んでいますが、分譲マンションではどうなるでしょうか。
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