町内会は、自治会ともいわれ、地域に居住する住民を会員として、会員相互の親睦を図り、会員福祉の増進に寄与して、関係官公所署各種団体との協力推進を行っている任意の団体です。
町内会は、法律により法人格を取得する方法もありますが、多くは権利能力なき社団としての実態を有しています。
あるマンションの管理組合が徴収していた管理費の中に、町内会費が含まれていました。
これは、問題ないのでしょうか?
町内会への加入は任意か
町内会の目的、実態からすると、町内会へ入会するかどうかは個人等の任意によるべきものと言えます。
入会した個人等も、町内会の規約等において退会の制限を定める等の特段の事由がない限り、自由に退会の意思表示が可能と考えられています。
建物の区分所有等に関する法律
マンションのあり方を規定する区分所有法では、どのように定められているのでしょうか。
区分所有法第3条
区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。
区部所有法第30条1項
建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。
管理組合は、区分所有者の対象となる建物、その敷地及び付属施設の管理を行うために設置される組織です。
管理組合での決議は、上記の範囲内での事項に限って効力があることになります。
マンションの管理費と町内会費
町内会費の徴収は、マンションの共有財産の管理に関する事項ではないので、管理費として徴収できるものではありません。
この判断は、平成19年8月7日に東京簡易裁判所での判例になっています。
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