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改正民法における連帯保証人の相続人の立場

連帯保証人の相続人 最近の動き

2020年4月1日に改正民法が施行されました。

改正の中で、保証債務に関しても改正がなされ、個人根保証契約の元本確定事由が定められています。

条文は、次のようになっています。

【改正後民法】

(個人根保証契約の元本の確定事由)

第465条の4(抜粋)

1 次に掲げる場合には、個人根保証契約における主たる債務の元本は、確定する。

一 債権者が、保証人の財産について、金銭の支払を目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき。

二 保証人が破産手続開始の決定を受けたとき。

三 主たる債務者又は保証人が死亡したとき。

これまでの連帯保証人の相続人の立場

これまでは、連帯保証契約も相続の対象となることから、賃貸物件の貸主は、連帯保証人が死亡した場合、その相続人に対して、連帯保証人の死亡後に発生した滞納家賃に対しても請求を行っていました。

しかし、改正民法により、このことは否定されたことになりそうです。

被相続人が連帯保証人になっていたことを知らずに相続した相続人であっても、貸主からの、ある日突然の滞納家賃請求に対抗することが出来なかったということです。

最高裁判所の昭和9年1月30日判決では、「賃貸借契約における保証人の相続人は、その相続開始後発生する賃料債務についても、保証の責がある。」と判示しています。

これだと、相続人は、被相続人からの保証契約を相続していることになり、被相続人が亡くなった後に発生した滞納家賃を支払う義務があることになります。

改正民法でどう変わるか

賃貸物件の貸主は、今まで連帯保証人が死亡した後に発生した滞納家賃について、相続人に対して請求していましたが、改正民法でどう変わるのでしょうか。

貸主は、最高裁判決を盾にとり、連帯保証人の相続人と争うことが予想されますが、どのような判断が裁判所からされるのか注目されます。

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