「消防法」では、居住者の数が50人以上の分譲マンションでは、管理権原者が当該マンションの防火管理に必要な業務を行わせるため、一定の資格を有したものの中から「防火管理者」を選任し、所轄消防庁又は消防署長に届け出ることになっています。
ここで、管理権原者とは、分譲マンションでは、専有部分については組合員等が個々に管理権原を有していて、共用部分については管理組合理事長が権原を有していると考えられています。
分譲マンションの防火管理者の業務
防火管理者の業務としては、
- 消防計画の作成
- 消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施
- 消防用設備等の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督
- 避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理
- その他防火管理上必要な業務
等があります。
なお、防火管理者が選任されていない場合や防火管理者の業務が行われていない時は、消防長又は消防署長から必要な措置を講ずるように命じられることがあります。
これは、消防法8条や同法施行1条の2に規定されています。
統括防火管理者の選任
雑居ビル等で火災が発生すると、多くの死傷者を伴う危険性があります。
また、東日本大震災の発生を受け、防火・防災管理体制の強化が必要になってきました。
そこで、平成24年に消防法の一部を改正して、「統括防火管理者」の選任が設けられました。
対象となる施設は、高さ31mを超えるマンションや建物が3階以上で、飲食店・病院がある複合用途型マンション等になります。
防火管理者に関する通知等
マンションの防火管理者は、組合員等の中から選任されることが最も適切になります。
しかし、現実は、組合員等が防火管理者に選任されることは少なく、結果として防火管理も適切に行われていないケースが多くなっています。
そこで、平成4年9月11日付の消防庁通知で、「防火管理者の外部選任」を一定の条件の下で認めることになりました。
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