マンションを「終の住み家」にする人が増え、住民の高齢化が進んでいます。
と同時に、記憶力が低下した認知症の方とのトラブルが増えているということです。
マンションの住民の高齢化状態
国土交通省が2018年度に実施した全国のマンション管理組合と区分所有者を対象にした調査によると、マンションに住む世帯の世帯主は、60歳以上の方が半数を占めました。
一方、マンション内でのトラブル発生状況では、約1割の管理組合が「高齢者・認知症の方への対応」を挙げています。
別の団体による調査によると、居住者の高齢化によるトラブルとして、ゴミ出し違反や徘徊、突然の住宅訪問、漏水、ガスの消し忘れなどが挙げられています。
認知症の早期発見
認知症は、脳の病気などにより記憶力や判断力が低下し、社会生活に支障をきたす状態です。
症状が軽いうちに適切な医療や介護、生活支援を受けることが出来れば、自宅で暮らし続けることは可能だということです。
認知症の人を早期の支援につなげるには、何といっても早く気付くことが必要になります。
気付くポイントは、
●ふらつく
●季節に合わない服を着ている
●汚れた服を着ている
●今までしていた挨拶をしなくなった
●部屋に引きこもるようになった
●回覧板が回せない
●自宅を間違える、迷う
●徘徊や突然の住戸訪問
●団地駐車場での事故
●物取られ妄想
●異臭がする
●ゴミを出せずに室内に貯めてしまう など
認知症に気付いた時の対応
まず、家族や管理組合に連絡します。
管理組合は届出されている「緊急時連絡先」に連絡します。
家族がいないとか、協力しない場合は、自治体や地域包括支援センター、民生委員に連絡します。
遠方にいる家族より、近隣住民の方が認知症に気付きやすいことも多いといいます。
専門家によれば、本人の希望や状態にもよりますが、早期の医療や介護、住民の少しの支援があれば自宅での生活が成り立つこともあるといいます。
管理規約による居住者名簿の作成をする
認知症を含め、高齢者の状況を把握するのに居住者の名簿作りが役立つということです。
マンション管理業協会作成のマニュアルでも、名簿と緊急連絡先、年齢、独居か否かなど高齢者の状態把握が重要と言われています。
プライバシー保護の観点から、個人情報の把握は難しくなっていますが、名簿の作成は管理規約で決めておく方が役立つということです。
災害時にも、支援が必要な人がわかり助かるということです。
入居者台帳に緊急時の支援の要否等を記入する部分を設け、認知症を含めた病気などの避難困難者を把握しておくことは、いざという時にも活きてくると思います。
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